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活動方針

令和6年度 磐周校長会活動方針

Ⅰ 活動方針

 学制発布から150年が経ち、学校では様々な教育が営まれてきた。
 近年、社会の在り方が劇的に変化・進展しており、先行きが不透明で「予測困難な時代」になっていきている。学校においては、いじめ・不登校、子供たちの多様化、学力格差、災害に対する危機管理等の諸課題への対応が求められている。とりわけ、コロナ禍を機に、新たな学びの在り方や、社会の変化に順応した教育課程の編成等、時代の変化とともに変えていく必要があるものが明確になってきた。これらに柔軟に対応していくことも学校教育に課せられた課題である。
 このような中、第4期教育振興基本計画では、2040年以降の社会を見据えた教育政策における基本方針として「持続可能な社会の創り手の育成」「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられている。各学校では学習指導要領の趣旨を踏まえ「社会に開かれた教育課程」の下、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向け、令和の日本型学校教育の構築を目指している。そして、主体的・対話的で深い学びの実現を図ることで、子供たちが多様な人々と協働しながら豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるために、各学校では必要な資質・能力の育成に取り組んでいる。
 県校長会が発行した「静岡県教育の未来像の探求Ⅴ」には、静岡県教育の基本方針として3本柱「命を守り、子供を輝かせる教育」「授業を軸とした学校経営」「教職員とその家族の幸福追求」が掲げられ、校長が学校経営を進めていく上での根幹となっている。
 それを受け、磐周校長会は、「原点に立つ磐周教育」のスローガンを継承した『磐周教育への提言(第10次)』を基盤とし、学習指導要領の趣旨を踏まえ、各学校において、新しい時代に必要な資質・能力の育成を目指した学校経営を進めている。また、校長職の経験値を蓄積した『校長職務ロードマップ』をもとに、経営力の向上に努めている。これら二つを拠り所とし、校長は、自ら学び続け、自校の課題に対する解決の方向を見極めた上で、自らの理想とする校長像や目指す学校像を明確にした学校経営を進めるとともに、職員をはじめ学校教育に関わる多様な立場の人々と、積極的・協働的に議論し、納得解を生み出すしなやかで力強いリーダーシップを発揮することが重要である。
 管理職の大量交代期が進んでいる中、私たちは磐周校長会の歴史を語るとともに、時代を超えて変わらない価値のあるものを見極め、先人の志を繋いでいきたいと考える。そして、「子供を大事にする教育」という磐周教育の根底に流れる理念や教育が普遍的に目指す根幹を堅持しつつ、社会の変化に柔軟に対応していきたいと考える。
 本年度も、以下を活動の重点として子供たちの未来に向けたよりよい教育を実現する学校経営を進めていきたい。そして、今まで以上に先見性を磨き、将来の磐周教育を展望しつつ「磐周一枚岩」と「一歩、出でよ」の精神を大切にしながら「真に子供を大事にする学校づくり」の推進のために、学び合い、支え合う校長会を実現したい。

Ⅱ 活動の重点

◎『磐周教育への提言(第10次)』『校長職ロードマップ』をもとに校長の経営力の安定と向上を目指し、教職員の資質・能力を高めるとともに、創意ある実践を積み上げる。

◎学習指導要領の趣旨を踏まえ、「社会に開かれた教育課程」の具現とともに、一層「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実することで「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指し、子供たちが持続可能な社会の創り手となるための資質・能力を育む。

◎教職員とその家族の幸福追求のため、働き方改革の具現化、不祥事根絶のための職場環境づくり、すべての教職員が自らの教職人生を前向きに描くことができる風土の醸成を通して、持続可能な学校運営体制の推進を図る。

Ⅲ 活動内容

1 部会
⑴ 小学校部会
ア 『静岡県校長育成指標』及び『探求Ⅴ』・『磐周教育への提言(第10次)』・『校長職務ロードマップ』に基づく実践の積み上げと趣旨の実現
 ・学校経営力を高め、次世代を担う教職員の資質向上を図る。 
イ 学習指導要領の深い理解と確かな実践
 ・1人1台端末の有効活用を手段としながら、「主体的・対話的で深い学び」を追究し、「指導と評価の一体化」から授業改善へとつなげる。
・主体的、組織的な校内の研修体制を構築する。
ウ 今日的な課題に対する的確な対応
(幼小中一貫教育、特別支援教育、高学年教科担任制、危機管理、不登校・いじめ問題、働き方改革 等)
※進路指導については、情報を共有し、確認・配慮事項を徹底する。
※危機等発生時(学校事故、不祥事等)の対処事例(ヒヤリハット)の共有による危機管理能力の向上を図る。
⑵ 中学校部会 ※開催時刻を早め、グループ協議の充実を図る。
ア 「静岡県教育の未来像の探究Ⅴ」、「磐周教育への提言(10次)」を拠り所にした実践の積み上げ
・危機等発生時(学校事故、不祥事等)の対処事例(ヒヤリハット)の共有による危機管理能力の向上
・多様化する学校教育の課題に対応するため、学校、家庭、地域総がかりの教育の推進
・生徒が新しい時代を生きていく力を育むために、学び続ける教職員集団の育成
・進路指導(生き方指導)の充実と変化する入試制度への的確な対応
イ 今日的な課題に対する的確な対応
・生徒が主体的に考え判断する校則の見直し
・部活動ガイドラインに沿った部活動指導と中体連・中文連活動(県総合文化祭)の推進
・心身ともに生き生きと働く教職員のためのメンタルヘルスケアの充実
・教職員の人権意識の向上に向けた取り組みの充実

2 地区校長会
 (1) 磐田地区
ア 研究主題「真に子供を大事にする学校づくり」に向かい、「磐周教育への提言(第10次)」「校長職務ロードマップ」「静岡県教育の未来像の探求Ⅴ」を拠り所に研修を進める。
イ 研究の視点に、「確かな学びの場を保障し学ぶ力を育てる学校づくり」、「子供と教職員が安心して生き生きと活動できる学校づくり」の2つを据える。
ウ 学校訪問研修では、教職員、児童生徒、学校環境などに直接触れると共に、訪問校の取組を参考に、建設的な協議を行い、訪問校へのフィードバックを行うと共に、自校における具体的な行動を明確にする。
エ 子供を中心とした、学校に関わる全ての人のウェルビーイングの実現を目指し、安全安心な学校づくり、自立自走できる教職員集団の育成、喫緊の課題に対処していくため、専門家から話を聴いたり、情報交換を行ったりすることにより、知見を得ると共に、具体的な行動を明確にする。
・「確かな学びの場を保障し学ぶ力を育てる学校づくり」<磐周教育への提言(第10次)の具現>について ・・・「達成できた」「おおむね達成」95%(昨年度93%)
・「子供と教職員が安心して生き生きと活動できる学校づくり」<校長職務ロードマップの活用>について ・・・「達成できた」「おおむね達成」95%(昨年度93%)
⑵ 袋井・森地区
ア 『磐周教育への提言(第10次)』『校長職務ロードマップ』をもとに、学校経営力の向 
上に努め、「真に子供を大事にする学校づくり」を推進する。
イ 「社会に開かれた教育課程」の下、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に 
充実させ、新たな時代に必要な資質・能力を育むための授業改善を進める。
ウ 学校訪問を行い、授業参観、全体研修や課題別グループ研修を通して、学校経営力を磨き、校長として力量の向上を目指す。
エ ICT活用、特別支援教育の充実、教職員育成、感染症対策など、学校経営上の諸問題、今日的課題の解決に向けて情報交換・協議を行うとともに、市町教育委員会と連携して改善に努め、必要に応じて関係機関への働きかけを行う。

3 専門委員会
⑴ 研修委員会
研究テーマ「授業を軸とした教職員育成~学び続ける教職員集団を育てるための
校長の関わり方~」
ア 夏季・冬季研修会を企画・運営し、「磐周教育への提言(10次)」や「静岡県教育の未来像の探求Ⅴ」を活用することで、学校経営や職員育成に関する研修及び情報発信を行う。
イ 新任校長研修会を実施し、校長の職務や磐周校長会の組織・活動について「校長職務ロードマップ」を活用することで理解を深める。
ウ 研修・研究に関する情報交換を図るため、「磐周校長会たより第146号」及び「磐周教育第40号」を編集し、全会員へ電子データにより公開する。
エ 夏季・冬季研と地区校長会の連携の在り方を検討し、各研修会で取り上げたり、研修委員会として発信・提案したりしていく。
⑵ 学校経営委員会 
研究テーマ「『目指す学校像』『目指す校長像』具現に向けた学校経営の工夫」
      ~ ミドルリーダーの育成に焦点をあてて ~
ア 「磐周教育への提言(第10次)」を活用した取組・実践を発表し、発信する。
◎ 授業を核とした学校経営の工夫・仕組みづくり
◎ 若手、ミドルリーダー育成に向けての工夫・仕組みづくり
・ 行事の精選による学校経営の工夫
・ 夏季研の講演会や実践発表を受けて改善した実践
イ 研修委員会と連携し、令和6年度活動方針に沿った学校経営の様子を情報交換し合う。
ウ 学校経営の観点から教育課程の研究を行い、令和7年度の教育課程編成に向けて提言する。
エ 令和7年度の磐周校長会の活動方針(案)を検討する。
⑶ 生徒指導委員会 
研究テーマ「新規不登校を増やさない学校経営の工夫・仕組みづくり」
ア HELP ME(磐周地区生徒指導関係調査)により問題行動とその対応に関する情報を集約し、情報提供を行う。
イ HELP MEの不登校調査の過去データを分析し、実態を把握する。
ウ 各校の不登校の実態、対応や課題を把握し、委員会で分析・考察し、対応策等を検討する。
エ 不登校の未然防止や早期対応の有効事例に関する情報を収集し、各部会(小学校部会、中学校部会)や地区校長会で発信する。
⑷ 特別支援教育委員会
研究テーマ  「理解と育成」
ア 理解
①校長として理解しておくべき「特別支援教育」
・特別支援教育や就学支援の仕組みや流れ等
・児童生徒の発達特性や障害、福祉や医療など外部機関との連携等
② 児童生徒理解
・正しいアセスメントについて助言できる管理職
イ 育成 ~小中一貫の仕組みを生かした育成方法を探る
① 特別支援教育コーディネーターの育成
② 特別支援学級担任(特に若手)の育成
③ 通級指導教室担当の育成(市町、地区レベルでの育成方法)
⑸ 人事・定数・給与委員会 
研究テーマ「人事・定数・給与に関わる実態調査からみる学校経営の課題について」
ア 県及び磐周地区の教職員人事・定数・給与に関わる実態調査を行い課題把握する。
イ 調査を基に「現場の声」を集約し、県及び2市1町の教育委員会へ要望活動を実施する。
ウ 教職員の人事配置状況や国の定数改善、給与体系の動向等について、情報収集及び情報提供を行う。
エ 基金会計のあり方について検討するともに財政確立委員会(磐周校長会)・財政管理委員会(磐周教育研究所)との連携を図る。
オ 共済組合、互助組合の事業の推進と充実のために要望調査とその集約を行う。
カ 会員に対する福利厚生事業について啓発をする。
⑹ 中学校進路委員会
研究テーマ「多様化する進路状況に対応する中堅教員の指導力向上と若手教員の育成」
ア 磐周校長会中学校部会にて、進路に関する情報発信と適切な進路指導に向けた望ましい方策について検討を行う。
イ 中高連絡協議会では、入学者選抜制度の変化への対応について検討し、共通理解を図る。
ウ 進路に関する研修会では、多様化する進路状況を踏まえ、3学年主任・進路指導主事等
の指導力向上を図る。
エ 高等学校合同説明会では、高等学校との連携を密にした上で、生き方指導力を備える若
手教員の育成を図る。
⑺ 教育課題検討委員会 
研究テーマ「『子どもと教職員を守る』学校の危機管理において校長がすべきこと、知っておくべきこととは?」
大きなくくりとして「学校の危機管理」を取り上げ、各校の実態や課題を洗い出し、検討を進め、校長会の危機管理に対する意識と対応力の向上を図るとともに、改善策や対応のマニュアルを校長会、磐周教育協議会等に提案する。
ア 猛暑やゲリラ豪雨など、かつて経験したことのない異常な気象に対する危機管理
イ 管理職が行う教職員のメンタルヘルスマネジメント