令和8年度 磐周校長会活動方針
Ⅰ 活動方針
近年、社会の在り方が劇的に変化・進展しており、先行きが不透明で「予測困難な時代」になってきている。また、少子化・小規模校化に対応した学校教育の充実も求められている。磐周地区の学校においても、いじめ・不登校、個々の子供たちが抱える課題の多様化、異常気象や自然災害に対する危機管理等の諸課題への対応に追われている。子供たちがたくましく生きる力を身に付けるため、学校は一人一人の可能性を伸ばし、新しい時代に求められる資質・能力を育成していかなければならない。そのためには、より社会に接点をもち、多様な人々とつながりながら学ぶことができる柔軟で包摂的な教育課程の編成が必要である。
このような中、静岡県教育振興基本計画(2025→2028)では、2040年以降の社会を見据えた教育政策における基本理念として「未来を切り拓く人材の育成と社会を生き抜く力を育む教育の実現」が掲げられている。各学校では学習指導要領の趣旨を踏まえ「社会に開かれた教育課程」の下、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向け、令和の日本型学校教育の構築を目指している。そして、主体的・対話的で深い学びの実現を図ることで、子供たちが多様な人々と協働しながら豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるために、各学校では必要な資質・能力の育成に取り組んでいる。今後は、次期学習指導要領改訂に向けた動きを注視していく必要がある。
県校長会が発行した『静岡県教育の未来像の探求Ⅴ』には、静岡県教育の基本方針として3本柱
「命を守り、子供を輝かせる教育」「授業を軸とした学校経営」「教職員とその家族の幸福追求」が掲げられ、校長が学校経営を進めていく上での根幹となっている。(令和8年度中に『静岡県教育の未来像の探求Ⅵ』発行予定)
それを受け、磐周校長会は「原点に立つ磐周教育」のスローガンを継承した『磐周教育への提言(第10次)』を基盤とし、学習指導要領の趣旨を踏まえ、各学校において新しい時代に必要な資質・能力の育成を目指した学校経営を進めている。また、校長職の経験値を蓄積した『校長職務ロードマップ』をもとに、経営力の向上にも努めている。これら二つを拠り所とし、校長は、自ら学び続け、自校の課題に対する解決の方向を見極めた上で、自らの理想とする校長像や目指す学校像を明確にした学校経営を進めるとともに、職員をはじめ学校教育に関わる多様な立場の人々と、積極的・協働的に議論し、納得解を生み出すしなやかで力強いリーダーシップを発揮することが重要である。
また、教職員間においても、価値観の多様化や世代間ギャップが生じていることを踏まえ、教職員一人一人の思いや考え方を理解することを基本にしながら、様々な経験や知見をどのように継承していくかを考えなければならない。私たちは磐周校長会の歴史を語るとともに、時代を超えて変わらない価値のあるものを見極め、先人の志を繋いでいきたい。そして、「子供を大事にする教育」という磐周教育の根底に流れる理念を堅持しつつ社会の変化に柔軟に対応することで、持続可能な学校と地域を巻き込んでのウェルビーイングの実現につなげていきたい。併せて、時代に合わせた校長会の在り方についても考えていかなければならない。
本年度も、以下を活動の重点として子供たちの未来に向けたよりよい教育を実現する学校経営を進めていきたい。そして、今まで以上に先見性を磨き、将来の磐周教育を展望しつつ「磐周一枚岩」と「一歩、出でよ」の精神を大切にしながら「真に子供を大事にする学校づくり」の推進のために、学び合い、支え合う校長会を実現したい。
Ⅱ 活動の重点
◎喫緊の教育課題を解決するため、『磐周教育への提言(第10次)』『校長職務ロードマップ』をもとに校長の経営力の安定と向上を目指し、教職員の資質・能力を高めるとともに、創意ある実践を積み上げる。
◎学習指導要領の趣旨を踏まえ、「社会に開かれた教育課程」の具現とともに、一層「個別最適
な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実することで「主体的・対話的で深い学び」の実
現を目指し、子供たちが持続可能な社会の創り手となるための資質・能力を育む。
◎教職員とその家族の幸福追求のため、働き方改革の具現化、不祥事根絶のための職場環境づ
くり、すべての教職員が自らの教職人生を前向きに描くことができる風土の醸成を通して、
持続可能な学校運営体制の推進を図る。
Ⅲ 活動内容
1 部会
(1)小学校部会
ア 『静岡県校長育成指標』及び『静岡県教育の未来像の探求Ⅴ』・『磐周教育への提言(第10次)』・『校長職務ロードマップ』に基づく実践の積み上げと趣旨の実現
・学校経営力を高め、次世代を担う教職員の資質向上を図る。
・危機等発生時(学校事故、不祥事等)の対処事例(ヒヤリハット)の共有による危機管理能力の向上を図る。
イ 学習指導要領の深い理解と確かな実践
・1人1台端末の有効活用を手段としながら、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善へつなげる。
・主体的、組織的な校内の研修体制を構築する。
ウ 今日的な課題に対する的確な対応
増加する問題行動への対応、特別支援教育の充実、教科担任制・チーム担任制の導入、働き方改革の推進、教職員のメンタルヘルス対策、集団宿泊活動の望ましい在り方等
※進路指導については、情報を共有し、確認・配慮事項を徹底する。
(2) 中学校部会 ※グループ協議の充実を図る。
ア 『静岡県教育の未来像の探究Ⅴ』、『磐周教育への提言(第10次)』を拠り所にした実践の積
み上げ
・「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善の推進(学びの質の向上、ICT・AI
の活用)
・危機等発生時(学校事故、不祥事等)の対処事例(ヒヤリハット)の共有による危機管理能力の向上
・多様化する学校教育の課題に対応するため、学校、家庭、地域総がかりの教育の推進
・教職員が生きがいを感じ合える学校づくりの推進(やりがいの創出、働き方改革の推進)
イ 今日的な課題に対する的確な対応
・進路指導(生き方指導)の充実と変化する入試制度への共通理解と的確な対応
・休日の部活動地域展開による学校の平日の部活動(目的、時間、運営方法)の検討
・生徒が主体的に考え判断し取り組む特別活動の充実(意見の表明・参画する場の設定)
・教職員の人権意識の向上に向けた取組の充実と問題発生時における初動対応の共通理解
2 地区校長会
(1) 磐田地区
ア 研究主題「真に子供を大事にする学校づくり」に向かい、『磐周教育への提言(第10次)』『校長職務ロードマップ』『静岡県教育の未来像の探求Ⅴ』を拠り所に研修を進める。
イ 研究の視点に、「確かな学びの場を保障し学ぶ力を育てる学校づくり」、「子供と教職員が安心して生き生きと活動できる学校づくり」の2つを据える。
ウ 学校訪問研修では、教職員、児童生徒、学校環境などに直接触れると共に、訪問校の取組を参考に、建設的な協議や訪問校へのフィードバックを行う。そして、自校における具体的な行動を明確にする。
エ 子供を中心とした、学校に関わる全ての人のウェルビーイングの実現を目指し、安全安心な学校づくり、自立自走できる教職員集団の育成、働き方改革の推進等、喫緊の課題に対処していく。そのため、校長同士の情報交換・協議の場をさらに充実させ、『静岡県校長育成指標』に示されている資質能力の向上につなげる。
・「確かな学びの場を保障し学ぶ力を育てる学校づくり」<『磐周教育への提言(第10次)』の具現>について ・・・「達成できた」「おおむね達成」95%以上(昨年度97%)
・「子供と教職員が安心して生き生きと活動できる学校づくり」<『校長職務ロードマップ』の活用>について ・・・「達成できた」「おおむね達成」95%以上(昨年度97%)
(2) 袋井・森地区
ア 『磐周教育への提言(第10次)』『校長職務ロードマップ』『静岡県教育の未来像の探究Ⅴ』
をもとに、学校経営力の向上に努め、「真に子供を大事にする学校づくり」を推進する。地
区校長研修会の研修主題を「未来を切り拓く学校経営~真に子供を大事にする学校をつく
るために校長としての資質向上を図る~」とし、校長としての資質向上を目指す。
イ 「社会に開かれた教育課程」の下、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実
させ、新たな時代に必要な資質・能力を育むための授業改善を進める。
ウ 学校訪問を行い、授業参観、全体研修や課題別グループ研修を通して校長として力量向上
を目指す。
エ 自校の課題解決のために取り組んでいることを中心に研修を進め、授業を軸とした教職員
の育成や特別支援教育の充実、いじめや不登校対策、働き方改革など、学校経営上の諸問
題、今日的課題の解決についても情報交換や協議を行うとともに、市町教育委員会、関係
機関への働きかけを行う。
3 専門委員会
(1) 研修委員会
ア 『静岡県教育の未来像の探求Ⅴ』及び『磐周教育への提言(第10次)』の趣旨の理解と
具現化を図る研修とする。
イ 特定の領域に関するテーマは設けない。『静岡県教育の未来像の探求Ⅴ』に示されている
「新しい時代を切り拓く学校教育」「子どもの命を守り、輝かせる学校経営」「教職員の生き
がいを感じる学校経営」「授業を軸とした学校経営」の各テーマや、『磐周教育への提言(第
10次)』に示されている「目指す学校像」「目指す校長像」の中の視点について、校長一人
一人が課題として取り組んでいることについて、自身の実践や悩みを共有し、校長として
の力量を高める取組を行う。
(2) 学校経営委員会
ア 『磐周教育への提言(第10次)』を活用した取組・実践を発表し、発信する。
◎授業を核とした学校経営の工夫・仕組みづくり
◎若手、ミドルリーダー育成に向けての工夫・仕組みづくり
◎地域・社会との連携、協働する仕組みづくり
イ 研修委員会と連携し、令和8年度活動方針に沿った学校経営の様子を情報交換する。
ウ 学校経営の観点から教育課程の研究を行い、令和9年度の教育課程編成に向けて提言す
る。
エ 令和9年度の磐周校長会の活動方針(案)を検討する。
オ 『磐周教育への提言(第10次)』が発行され、7年が経過する。『静岡県教育の未来像
の探求Ⅵ』(令和9年2月発行予定)を受け、10次提言「実践のまとめ」及び11次提言
作成に向けた準備を進める。
◎10次提言「実践のまとめ」については、研修委員会と連携を図る。
(3) 生徒指導委員会
ア 新「HELP! ME」集約・分析
小学校における問題行動の増加を受けた対応
イ「新規不登校を増やさない学校経営の工夫・仕組みづくり」の研修
~不登校に関する重層的支援の充実を通して~
(4) 特別支援教育委員会
ア 進路学習会への参加、臨地研修を継続的に行い、専門的な知識・最新の情報について委
員が理解し、校長会研修会等を活用しながら伝達していく。
イ 実態調査を実施し、特別支援教育に関わる現状を分析・考察することを通して課題の把
握に努め、各校の特別支援教育推進の方策について更なる啓発を続けていく。
ウ 県特別支援学級・通級指導教室設置校部幹事会からの情報を各校で共有し、全国・県の
動向を把握するよう努める。(設置校部幹事会には委員長が出席)。
(5) 人事・定数・給与委員会
ア 調査等により各学校の実態を把握した上で、課題を検証し、県や市町の関係機関へ教育
環境の充実や教職員の処遇改善の要請を行う。
イ 社会の変化や働き方改革等を考慮し、磐周地区の実態把握のための調査内容ついて検討
する。
(6) 中学校進路委員会
ア 進路に関する情報発信と適切な進路指導に向けた望ましい方策について検討する。
イ 中高連絡協議会では、入学者選抜制度の変化への対応について検討し、共通理解を図る。
ウ 多様化する進路状況を踏まえ、3学年主任・進路指導主事等の指導力向上を図る。
エ 高等学校合同説明会等では、高等学校との連携を密にした上で、生き方指導力を備える
若手教員の育成を図る。
(7) 教育課題検討委員会
学校や組織を取り巻く教育課題を洗い出し、検討を進め、改善策や対応のマニュアル等を校長会、磐周教育協議会等に提案していくことで、校長の意識と対応力の向上を図る。令和8年度は以下の課題に重点に取り組む。
ア 一人職(教頭、養護教諭、事務職員、栄養教諭)の育成
イ 中学校「部活動地域展開」に係る各校の現状と課題